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母語と母国語はどう違う?この2つの概念を理解して、英語学習の何を強化すべきか根本から考えてみる。

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「あなたは私と話す時は英語で話すけど、日本で日本人と話す時は日本語?英語?他の言葉?」
先日、フィリピンに住んでいる友人にこう尋ねられました。
私はこの質問の意図があまり読めず、一瞬フリーズ。
そうか、母語と母国語(公用語)の話をしているんだと理解するのに少し時間がかかりました。

母語と母国語は違う

この2つの言葉の意味を混合して使っていらっしゃる人が結構います。
この2つの言葉は似て非なるもの。全くの別物なんです。

文化人類学者の西江正之さんは

「母語」とは、生後数年間のうちに、話者が生活環境のなかで自然に身につけた第一言語を言う。

一方、母国語は

「母国語」とは、話者が国籍を持つ国で、「公用語」または「国語」とされている言語である。

と述べています。
三省堂 Web Dictionary

ちなみに公用語の定義は

公の場,すなわち,行政,教育,裁判などにおいて用いられることが認められている言語。

公用語 とは - コトバンク
です。
最近のニュースで、公用語を英語にして日本人学生を鍛える「県内留学」の取り組みを始める、なんて記事も出ていました。具体例としてわかりやすいですかね。
公用語は英語…栃木の学生、県内で「海外留学」 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


稀な例ではありますが、生まれ育った環境によっては、その習得言語が唯一の母語ではなく、複数存在する場合もあると思いますが、大抵の場合は西江さんのおっしゃっている定義に当てはまるのでしょう。
日本人の大多数は母語も母国語も日本語です。しかし、世界を見渡して見ると、母語と公用語が異なる国は結構あるんですよ。

公用語は英語とフィリピン語であり、かつ、母語が170言語以上存在するフィリピンの人と、私の様に母語と母国語が日本語である人の間には、言葉に対する感覚が異なるのは必然だなぁと思ったりします。

世界を見渡せば母語と公用語が異なる国は結構ある

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ちょっと余談になってしまうかもしれませんが、母語と公用語が異なるという国は結構あります。
世界の主要20言語使用人口

この統計を見ると、多くの国で母語と公用語が異なっている結果であると考えられます。
もう少し掘り下げて考えてみると、経済的・軍事的・外交的に優勢な国の言葉が公用語になっているケースが多い様に思いますが、それと同時に、発展途上国等の話者人口の多い国の言葉もまた、外交・貿易面で重宝されることから母語と公用語に開きが見られるのではないかと思います。

ちなみに、英語が公用語の国と地域のまとめ記事を発見。
どれだけ知ってる?英語が公用語の国と地域まとめ | みんなの英語ひろば
この中にある国をいくつか調べてみると、面白いですよ(笑)
私的に面白いと思ったのは、南アフリカ共和国の共通語が11言語あると言う点。さらに、1994年に多言語主義を掲げて公用語が「英語とアフリカーンス語」+9言語となった。しかし、エリート層は英語一本にしようという流れになって、結局は公用語が形骸化してしまったとのこと。

子どもにはどのような言語感覚を持ってほしいですか?

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さて、ここまで読んでくださった方の中には「子どもにそろそろ英語を学ばせた方がいいかな?」と迷っていらっしゃったり、「今のまま英語を習わせていいのかな?」と現状に疑問を持たれている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、「母語」と「母国語」の違いに注目するだけで、抱えているその悩みが直接的な問題からずれていることを気付かせてくれる可能性があります。

ただ単純にまわりのみんなが英語の塾に行きだしたから私も子どもも習うのです。という考えは、「日本人は日本語を話せて当然」「日本人は英語を話せなければいけない」という考え方に付随している考え方であり、モノリンガル的な思想なのだと思います。

それはそれで、語学を学ぶきっかけとして悪いわけではありませんが、それよりも「言語」そのものに焦点を当て、そこに息づく文化的背景を考えつつ、多言語を許容するのもまた良いのではないかと思うのです。
私は語学学習を通じて、その国の歴史や文化的背景、その他の言語とのつながりや興味へと発展させて、心の豊かさも得られると良いなと思っています。

3連休の最終日。
ゆっくり「ことば」について考えてみるのも乙なものかもしれません。